自律神経と免疫細胞の関係
さて、
体中に自律神経がはりめぐらされています。
この神経は、
自分の意志に左右されず働いています。
自立神経には、
交感神経と副交感神経の二種類があり
それぞれ相反する様な働きをしています。
心臓や肺は、交感神経に支配され
胃や腸は副交感神経に左右されています。
この二つの神経が、
自分の意志に左右されないと言うことは
たとえば、心臓や肺に「止まれ」と言っても
止まらない事でわかりますね。
「いや、呼吸は止められるよ」
と、おっしゃるかも知れませんが
呼吸を止めている間も肺は血液に酸素を送り続けています。
自分の意志で動かない心臓も、驚いたり、感激したときは
その動きを早めます。
胃や腸も、同じく自分の意志では動きません。
でも
口から食べ物を入れて、胃に達すると
胃は動き出します。
これは、自律神経が意志以外のものに
影響されていることを示していますね。
さて、自律神経は内臓だけでなく
白血球の細胞にも影響を与えていることが
つい最近(1950年代ごろから)明らかにされました。
白血球は、
大きくわけて3種類の細胞によって構成されています。
マクロファージ、顆粒球(かりゅうきゅう)、リンパ球
の3つです。
マクロファージは、一番原始的な細胞で
からだを構成するすべての機関や細胞の元祖
と言っていいでしょう。
貪食(どんしょく)と言って細菌などを食べたり
他の細胞が殺した細菌やウイルスの死体も食べてくれます。
顆粒球は、マクロファージから進化し
貪食を武器に細菌を殺します。
リンパ球もマクロファージから進化して
細菌より小さいウイルスやガン細胞を、
抗体を作って殺したり、自殺に追いやったり、無力にします。
自律神経のうち、交感神経は顆粒球に影響を及ぼし、
副交感神経は、リンパ球を支配しています。
この2つの関係が、あるゆる病気の発症の原因にもなりますし
また、治療(自然治癒)や予防に関係します。
健康な人の、白血球を構成する各細胞の比率を書いておきますので
一応頭に入れておいてください。
マクロファージ:顆粒球:リンパ球=5%:60%:35%
安保徹免疫学によると
顆粒球やリンパ球の構成比率の変化によって
病気発症します。
顆粒球の割合が多いと
ガン、糖尿病、胃潰瘍、リュウマチ、膠原病、生理不順
になりやすく、
リンパ球の割合が多いと
アレルギー、アトピー、ぜんそく、花粉症
になりやすい体質です。
顆粒球が多いとは
交感神経が優位(あるいは過剰)の状態で
リンパ球が多いと
副交感神経が優位(あるいは過剰)と言えます。
つまりは、自律神経のどちらかが
優位かによって、かかる病気が決まり。
また、それを治すには
反対の自律神経の勢力を強くすればいいんです。
参考資料:安保徹「免疫革命
」
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