えー、20年近く前まで、うちの斜め向かいに老舗の
お寿司屋さんがありました。
ご商売の上だけでなく、ご近所付き合としても
女将さんや、若旦那さんご兄弟
また従業員の人達にも、仲良くしていただきました。
えぇ、その従業員の方々とは
今でも友達付き合いをしてもらってます。
結局、その店は
立ち退きで店じまいをしたのですが
寿司屋は、別の場所で営業中。
先日、数年ぶりで、若旦那の弟さんが
うちの前に通りかかったからと
声をかけてくれて、...
私が「みなさん、元気ーーーっ?」って聞きますと
弟さんは「おふくろがさー、まるっきりボケちゃって」と言う。
彼のお母さんは、毎日、デイケアーうけているそうです。
そのお母さんって
えー、もー、上品できれいな女将さんでしたよ。
なにせ今年で90だそうです。
「呆けちゃったって言ったってさー
体は丈夫なんだろう?」と私。
ニコニコしながら弟さんは
「それは、心配ないんだ。送り迎えのバスの中で
はしゃいでいやがる」
それが何よりだと思った私は、こう言った。
「だったらいいじゃーねーか。
浮き世の事なぞ、なーんも気にしなくていいわけさ。
やな事忘れてさー」
すると弟さんは、
「そうだよな。
おふくろにすりゃー
今が一番楽しいかもしれねーな。
また寄るねーーー」
と言って、去って行きました。
小柄で細身の体を機敏良く動かし
お店を切り盛りする
その女将さんの姿を思い出しました。
そりゃーねー、こちらの尺度で測れば
お気の毒な事でも
ご本人にしたら、そうじゃないかも知れないって
ことです。
これを、パラダイムシフト(概念を変える)
って言うらしい。
最近のコメント